パーソナルジム

その気になれば低予算からでも始められるパーソナルジムは、スモールスタートに向いているといえるでしょう。自分がどのようなジムを開業したいのか事業計画とコンセプトを整理し、開業に最低限必要な設備の条件を明確にしていきましょう。

Point1

物件の選び方

少人数の予約制でマンツーマン指導を行うパーソナルジムと、複数名が同時に利用するスタイルでは適した物件が異なります。一度に使う利用者数が多くはなく、使用するマシンが少ないなら、商用利用可能な一般物件を借りれば賃貸費用を抑えることが可能です。ただし、フリーウェイトをメインで行うジムで重いウェイトを設置する場合は、器具の重量に耐えられる構造かどうかの確認も必要です。立地は事業計画やコンセプトに基づいたターゲット層が集まりやすい場所を意識しましょう。

物件選び ここがポイント!

1.パーソナルジムとしての利用可否
2.耐荷重の確認
※一般的な日本の建築基準
共同住宅(マンション):約180kg/㎡
事務所・テナントビル:約300kg/㎡
※出典:建築基準法施行令第85条(e-Gov法令検索)
https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338
3.防音性の確認
4.物件に必要な広さ
※自分の事業計画/コンセプトを満たす坪数
5.天井高、搬入経路の確保

Point2

押さえておきたい改装
(内装)工事のポイント

重要ポイントは床の耐荷重、防音、水回り設備です。物件の居抜き活用等で費用削減も可能です。工事をする際、複数の会社に見積りを依頼して比較検討するのがおすすめです。

1.電気、空調、換気工事
防災工事や電気の配線工事、空調工事などを指します。
2.給排水設備工事
トイレなど水回りの設備を改修する工事です。
3.内装工事
天井・壁のクロス貼りや塗装、床材の施工。どのような素材を使うか、間取りをどうするかで費用は大きく変わります。

Point3

設置するマシンの選定

小規模なパーソナルジム(10坪〜15坪程度)を開業・運営する場合、「限られたスペースでいかに全身のトレーニングを網羅するか」が鍵となります。
おすすめとしては、「オールインワンラック」を主軸にし、可変式ダンベルとベンチを揃えるのが効率的で失敗の少ない構成です。スペースに応じて、オールインワンラックだけでは弱い下半身系のマシンや、パーソナルレッスンに入る前のウォーミングアップ用のカーディオ系のマシンなども視野に入れるとよいでしょう。

主要機器 小規模ジムでは、1台で何役もこなす多機能マシンが主役になります。

オールインワンラック(マルチファンクションラック)

機能:パワーラック、スミスマシン、ケーブルマシン、懸垂バーが一体化したもの。

これ1台でスクワット・ベンチプレス・デッドリフトといった3大トレーニングをサポート。
主要な全身トレーニングが完結します。

おすすめメーカー

REVOLUONE(レボルワン)

日本のパーソナルジム市場に特化しており、コストパフォーマンスとサポート体制が強み。スミスマシン、パワーラック、ケーブルマシンが1台に集約し、ベンチプレスからラットプルダウンまで100種目以上のトレーニングが可能になります。
公式サイト
https://revoluone.shop/

アジャスタブルベンチ(可変式ベンチ)
フラットだけでなく、角度を変えられる(インクライン/デクライン)タイプが必須です。
オリンピックバーベル & プレート一式
プレートはラバーコーティングされたものが、音や床への衝撃を抑えられるためパーソナルジムに向いています。
可変式ダンベル
ペアで2kg〜30kg程度まで瞬時に切り替えられるタイプ。固定式をズラリと並べるスペースを節約できます。

コストパフォーマンスに優れた中国パーツを活かした国内メーカーの新品を導入する方法が、現在主流になりつつありますが、世界的に有名なブランドの中古を見つける方法もあります。

予算とスペースに余裕があれば ターゲットに合わせて追加を検討してください。

カーディオ(有酸素系)マシン
ウォーミングアップや脂肪燃焼用。比較的小型のトレッドミルやバイクなど。
TRX(サスペンショントレーナー)
ラック等に吊るして使用。
自重を利用した体幹トレーニングに最適で、収納場所も取りません。

見落としがちなインフラ・備品 マシン以外に、安全と快適性のために以下の準備も必須です。

項目 詳細
床材(ラバーマット) 厚さ20mm以上の高密度ラバー。防音・防振と床の保護に不可欠。
姿見(大型ミラー) フォームチェック用。横幅1.5m〜2m程度あると、お客様と一緒に確認しやすいです。
ストレッチマット セッション前後のストレッチや、腹筋などの床メニュー用。
フォームローラー 筋膜リリース用。コンディショニングを重視する場合は必要。

Point4

パーソナルジムの市場動向

日本国内のフィットネス市場は、2026年2月時点で約7,100億円規模に推移する見通しです。なかでもパーソナルトレーニングや個別指導への需要は高く、専業型ジムの市場も拡大傾向。背景には、高齢化や働き方の変化、健康意識の高まりがあり、「健康維持・予防」「体型づくり」「メンタルケア」など、運動を超えた総合的なニーズが広がっていることが挙げられます。
矢野経済研究所の調査によると、2024年時点で全国のフィットネス施設数は約1万2,543。そのうち24時間型ジムが約34.7%と最多で、パーソナルジムなどを含む「その他」が28.5%を占めています。施設数は全体として増加傾向にあり、利用者の間では一律のメニューよりも、目的や体力に合ったパーソナライズ型プログラムを求める動きが強まっています。