STORY 3

湘南龍拳ボクシング&フィットネスジム

会長 川端 龍也さん

人とのつながりを原動力に
「プロ加盟」とフィットネスの融合で
切り拓くボクシングジム運営

多くの人の支えを受け、念願のジムを開業した川端さん。プロの育成だけでなく、子どもから高齢者まで楽しめるボクササイズにも力を入れ、地域に根ざした今の時代ならではのボクシングジムの形を実践しています。

WHY

ジム開業を目指したきっかけ

私はもともとプロボクサーで、病を患って2006年に引退しました。その後、面倒見の良い先輩方に誘われ、平塚の地に来たのが2007年。ご縁があってその先輩方と共にスポーツジムをオープンしたんです。しかし、やがて先輩方は独立され東京で成功を修められた。「私も先輩方のようにプロボクサーをこの手で育てたい」。その一念で、2020年に今のジムを開業しました。

STEP

開業までの歩み

ジム立ち上げまでは大変なことばかりでしたが、周囲の人たちに助けられることが多かったです。
物件もその一つ。地元の、とある店で知り合った会計事務所の方が今のジムが入っているビルのオーナーで、物件を紹介してくれたんです。駅から徒歩3分という好立地に、50坪のジムを構えられたのは、そのご縁があったからにほかなりません。
開業資金は、日本政策金融公庫の融資制度を利用しました。資金の半分ほどは、リングやサンドバッグなどの機材購入、中の塗装や内装工事の費用に。この工事も平塚の知り合いの方々に大変お世話になりましたね。グローブやミットは、ボクシング用品で有名なWinningで揃えました。
開業前に一番苦労したのが、「プロ加盟権利」の取得です。一般の方を対象にしたジムの運営には必要ありませんが、この権利がないと、プロボクサーを所属させることができません。当時は権利の譲渡制度があり、平塚に一緒に来た先輩の仲介で、病気で続けられなくなった、あるジムの会長から譲ってもらうことができました。制度が廃止されてしまった今ではプロボクシング協会から購入するしかなく、タイミング的には本当に良かったというのが正直なところです。
何とか開業にこぎつけましたが、その後も苦労は続きました。特に悩ましかったのが、騒音と振動です。ジムはビルの9階にありますが、選手の声や衝撃音、ボクササイズの足音が下の階に響き、一時期苦情が出たことも。慌てて窓を二重ガラスにし、床には新幹線の耐震技術から生まれたという防振マットを、リングも耐震ゴムの上に設置するなど対策を重ねました。
振り返ると、ここまで来られたのはつくづく周囲に恵まれたと感じています。

SOLUTION

ジムの特徴

現在は、プロボクサーやプロ入りを目指す選手向けの「プロアマ選手コース」、その手前の「育成コース」といった本格的なクラスから、老若男女が取り組めるボクササイズまで、年代別・時間別に多彩なコースを用意しています。プロを育てるジムでありながら、一般の方も通えるフィットネスを融合させた形は、開業前から考えていたスタイルです。というのも、プロボクサーの育成だけでジムを運営していくのは難しいのが現実です。世界チャンピオンクラスの選手がいたり、大手のように年間何百試合も組めたりするジムでない限り、それだけで経営していくのは厳しい。だからこそ、一般会員様の存在は欠かせません。
現在の所属トレーナーは5~6人です。高校卒業後からずっと私の元で練習し、うちでトレーナーとして働きながら現役を続けているプロボクサー選手。また、キッズ教室に通っていた子のお母さんが、子どもの相手をしているうちに自身も上達し、そのままトレーナーとして所属しているケースも。今ではその息子(吉井康介選手)が高校3年生になり、2025年度の国民スポーツ大会ボクシング競技で優勝しました。
キッズ教室は、まだ全国的に一般的ではなかった頃から取り組んできたんです。純粋に子どもが好きですし、そこから本格的にボクサーを目指す子たちも見守りたい。
うちのジムは、プロ選手も一般会員様も同じ場所で練習しています。大手ジムではフロアを完全に分けることが多いですが、私はあえて同じ空間にし、個々のモチベーション向上にもつなげています。そして、会員の皆さんにとって選手は息子や兄弟のような存在になっており、試合のときには自分のことのように応援してくれる。その空気感がとてもうれしいのです。

NEXT STEP

今後の目標

「プロ加盟」ジムとして運営している以上、将来的には大手ボクシングジムのように、実力のあるプロボクサーを数多く輩出できるジムにしていきたいと思っています。もちろん、それは一般会員様を大切にしないという意味ではありません。理想は、“一般会員様に頼らなくても運営していけるジム”になること。そのためにも、プロの育成にさらに力を入れていきたいですね。
2026年現在、龍拳ボクシング・フィットネスジムには、プロテストに合格した選手が20名以上所属しています。少しずつ力はついてきましたが、まだ道半ば。実力を伸ばすことはもちろんですが、良いタイミングで試合を組めるかどうかは、会長である私の手腕にもかかっています。
すべてにおいて人とのつながりは何よりの財産です。会長として人脈を大切にしながら、選手を育て、ジムを成長させていきたいと思っています。

湘南龍拳ボクシング・フィットネスジム

会長 川端 龍也さん

プロフィール

ワタナベジムよりプロデビューを果たした元プロボクサー。2006年引退後、平塚のスポーツマネジメント事業等を運営する企業に所属し、ボクシング・フィットネスジムでトレーナーとして13年活動。その後独立、2020年より「湘南龍拳ボクシング・フィットネスジム」を開業。

湘南龍拳ボクシング・フィットネスジム
住所:神奈川県平塚市宮の前1-6 湘南平塚中央ビル9階
営業時間:各曜日によって異なる ※HP参照  定休日:不定休

https://shonanryuken.com/
Instagram : @shonanryuken