STORY 1

からだラボNEXTFIELD

代表 網野 知之さん

やりながらお客様に合わせて進化
鍼灸整骨院&トレーニングジムで
競合と差別化

整骨院勤務を経て鍼灸師・柔道整復師などの資格を取得し開業した網野さん。身体のメンテナンスとトレーニングを融合させた新しい形のジム運営について伺いました。

WHY

ジム開業を目指したきっかけ

もともとは将来、整骨院を開業するつもりで現場に入り、経験を積んでいました。ただ、当時の職場環境がかなり厳しく、心身ともにしんどくなってしまって。別の可能性を探そうとフィットネスの勉強を始めたのが、この業界に入ったきっかけです。
その後、友人に誘われ、とある勉強会へ参加したのですが、講師がメジャーリーグのシカゴ・ホワイトソックスでトレーナー経験のある方だったんです。その内容がとても刺激的で、「フィットネス業界で本気でやっていきたい」「自分なりのやり方で成功したい」と思うようになりました。本来、人の身体を治すこと自体は好きだったので、並行して鍼灸の学校にも通い、資格を取得。その頃から、治療院とトレーニングジムを併設した形でやりたいという構想は頭の中にありましたね。
鍼灸の免許を取得しながら別の整骨院に勤め、そこで院長として2年間運営に携わり、経営面も経験。これまで学んできた知識をすべて活かす形で、2018年に「からだラボ」を開業しました。鍼灸とトレーニングジムを融合したスタイルはあまり例がなく、それが差別化になると考えていました。最初は身体のメンテナンスがメインで、その後トレーニングにつなげていく流れを想定していたのですが、実際にオープンしてみるとトレーニングの需要のほうが多かったですね(笑)。

STEP

開業までの歩み

物件は最初から八尾市に目をつけていました。このあたりはいわゆる富裕層エリアで、需要があると感じたからです。
手元資金として300万円を貯めており、残りの700万円は日本政策金融公庫から融資を受けました。事業計画書も作成し、公庫には開業後10ヵ月分の計画を提出。売上については、半年ほどで収支が均衡する想定で書いたと思います。もちろん起業は初めてでしたが、今思えば、若さゆえの謎の自信から生まれた計画でした。
今でこそトレーニングマシンはそれなりに揃っていますが、開業当初に用意したのはスミスマシン1台と施術用のベッドだけ。ただ、このスミスマシンは当時で約80万円したと思います。安いものなら10万円程度でもありますが、お客様だって見る人が見れば違いがわかります。仕事道具には良いものを使いたいという思いで、無理はしましたが思い切って導入して良かったです。
オープン前の告知は、実はほとんどしていません。2018年4月にオープンし、5月に一度だけ約2万枚のチラシを配布したくらいです。そのチラシを見て来てくださったお客様は2名でしたが、そのうちの1名の方がご家族やご友人に紹介してくださり、そこから口コミで広がっていきました。そして開業から3ヵ月ほどで採算ラインに乗る形になり、手応えを実感。ホームページを作成したのは同年の8月頃ですが、その前にはすでに軌道に乗り始めていた感覚がありましたね。振り返ると、本当にラッキーだったと思います。

SOLUTION

ジムの特徴

からだラボは現在、鍼灸整骨院&トレーニングジムの「NEXTFIELD」と、少人数制ピラティス・トレーニングスタジオ「ENCOMPASS STUDIO」の2つを運営しています。
NEXTFIELDは、私が専属でトレーナーにつく完全パーソナル型のジムです。ホームページにはさまざまなオプションメニューを掲載していますが、最初から用意していたわけではありません。お客様との対話の中で悩みを引き出し、「こういうニーズもあるのか」と気づくたびに対応できることを増やしてきた結果、オプションという形になっていったものです。
現在のお客様の目的は、メンテナンスが2割、トレーニングが8割ほど。60分のパーソナルトレーニングの中で、「今日はメンテナンスを多めにしましょうか」といったように、その日の体調や状態に合わせて柔軟に内容を組み立てていくスタイルです。
また、通常の60分パーソナルトレーニングに加えて30分のパーソナルトレーニングも設けています。この30分コースは、隙間時間に効率よく身体を鍛えたいというお客様にとても好評なんです。短い時間でどれだけ効果的なトレーニングができるかは、トレーナーとしての腕の見せ所だと思っています。
そのため、30分でもしっかり鍛えられるようにと、マシンを徐々に増やしてきました。売上計画に合わせて導入したというよりも、お客様の声に応じて買い足してきた感覚です。例えば、高齢のお客様から「ベンチプレスは重くて難しい」という声があれば、それならチェストプレスマシンを入れよう……、という感じでしょうか。
一方で、2024年には新しい取り組みとしてENCOMPASSを導入しました。これは米トータルジム社が開発したトレーニングマシンで、ピラティスの動きを取り入れたトレーニングができるのが特徴。八尾市では初の導入となりました。
この導入をきっかけにピラティスを本格的に展開しようと考え、2025年に立ち上げたのがENCOMPASS STUDIOです。NEXTFIELDのお客様の中には、「一人で来るのは少し勇気がいる」「友人と一緒に通いたい」という方も一定数いらっしゃいます。そうした声に応える形で、少人数制のグループレッスンができるスタジオとして開業。八尾市には本格的なピラティススタジオがないこともあり、その点も開業を後押しした要因の一つです。

NEXT STEP

今後の目標

正直なところ、現在の課題はスタッフ育成です。ENCOMPASS STUDIOは業務委託でトレーナーに入ってもらっているため専門知識は十分ですが、営業目線という点ではまだ伸びしろがあります。そのため、クロージングのマニュアルを作成し、どのような声掛けをしてほしいかをスタッフと共有しているところです。
ENCOMPASS STUDIOが軌道に乗ったら、次は整骨院を開業したいという目標もあります。「専門性が高く満足度の高いパーソナル」「楽しく続けられるグループレッスン」「治療に専念できる整骨院」。この3つが循環し、お客様にとってより良い環境をつくることが理想です。
個人で起業するというのは、計画を立てることも大事ですが、それ以上に勢いと行動力、そして期限を決める覚悟が必要だと思います。私の場合は事業計画書に書いた通り、10ヵ月を目途にすると決めて動きました。結果的に軌道には乗りましたが、もしうまくいかなければ次の展開を考えるつもりでした。勝負に出るところは出る、だめなら見切る。その判断を自分でできることも、個人でやる以上は大事だと思います。
もっとも、私自身は大きく儲けたいとか、専門性をひけらかして評価されたいという気持ちも、あまりありません。家族が不自由なく、楽しく暮らせればそれで十分。私は、2022年に難病指定疾患である粘膜性類天疱瘡を発症しています。現在は落ち着いていますが、生活のリズムが崩れると症状が出ることも。だからこそ、無理をしすぎず、運営をコントロールしながら堅実に続けていくことを大切にしています。
こじんまりでもいいから、誰かの役に立てる場所をつくり続けたい。その思いを大切にしながら、これからも一歩ずつ前に進んでいきたいと思っています。

からだラボNEXTFIELD鍼灸整骨院&トレーニングジム

代表 網野 知之さん

プロフィール

整骨院で3年実績を重ね、治療の技術を習得。その後、フィットネストレーナーとして2年間活動しながらトレーニング指導も学び、2018年、ケアとトレーニング両方を行える「からだラボNEXTFIELD」開設。2025年にはグループレッスンスタジオ「からだラボENCOMPASS STUDIO」も開設した。

NEXTFIELD
住所:大阪府八尾市山本町南1-7-26 オークヒルズ1
営業時間:9:30~21:00  定休日:日、祝日(不定休)

ENCOMPASS STUDIO
住所:大阪府八尾市山本町南1-8-17 いーすとハイツ2階
営業時間:9:30~21:00 定休日:日、祝日(不定休)

「からだラボ」
https://next-field2018.com/
Instagram : @k.labo_nextfield
Instagram : @k.labo_encompass